メンター制度の隣接分野として1on1があり、両者は良く似ています。
どちらを選んだらいいでしょうか?
ご自分の職場にどちらを導入したら良いか、迷うことがあるかも知れませんので、おおまかな目安をご紹介します。
【1on1の特徴】
1on1は、
★大企業において、
★人事部主導で、
★新人の個別指導を目的として、
行われます。
●リーダーやマネージャーが、
●新人と個別にコミュニケーションをとり、
●業務に関する新人の状況を確認し、
●フィードバックを行い、
●目標達成を支援、
します。
1on1は、新人が、
♦業務上の壁を乗り越え、
♦キャリアアップすることで、
♦結果的に、
♦組織全体の業績を向上させる、
ことを意図しています。
その際、リーダーやマネージャーは、
♥新人の業務遂行能力評価に直接関与せず、
♥信頼関係(ラポール)を築き、
♥良き指導者になること、
に注意を払います。
【留意点】
担当者は、
●新人と定期的に対話するが、
●オンラインでの間接的対話が多くなるため、
●人間的なつながりが薄くなりがちで、
●効果がゆるやか、
という側面があります。
【メンター制度の特徴」
メンターは、
〇メンティーの「心理的安全性」を確保し、
〇定期的に対面ミーティングを行い、
〇メンティが戸惑いや困難を感じている点について、
〇話し合い、
〇協力して解決を図ります。
その際メンターは、
〇指導・教育よりも、傾聴を優先し、
〇新人の置かれた立場を理解し、
〇新人の気持ちに寄り添うため、
〇新人の「心理的安全性」が高まり、
〇離職率が減少、
します。
課題が明らかになった場合は、メンターはメンティーの主体性を尊重しながら、協力して解決します。
メンター制度の目的は、新人の、
♦心理的安全性を確保することで、
♦成長を促す、
点にありますが、結果的に、
♧ 職場全体のパフォーマンスが上がり、
♧ 業績の向上につながります。
また、
♧ メンティだけではなく、
♧ メンター自身が、
♧ 後輩を「育てる」経験を経て、
♧ 大きく成長します。
管理職は、
♦メンターの自主性を尊重し、
♦メンターの集まりであるメンターグループを信頼し、
♦メンター制度を任せることで、
♦制度全体がスムーズに回ります。
【メンター制度と1on1の違い】
① 組織の規模
・メンター制度は、比較的小さい団体や組織に向いている
・1on1は、比較的大きい会社や組織にも適用可能である
② 支援する側と受ける側の関係
・メンター制度では、日常的な対話、相談が保証される
・1on1は、支援する側とされる側がお互いに深入りすることを避け、匿名性保証のため接触に制限を設ける場合がある
③ 成果の見える化
・メンター制度は、職能スキルの向上と併せて、人間的な成長の効果を期待することから、成果の数値化や、複数ペア間の比較等が出来ない
・1on1は、実施や会話の手続きがマニュアル化され、チェックシートと相性が良く、成果が比較的見えやすい
【では、どちらを選ぶか?】
組織の理念、目標、規模、提供するもの、サービス内容により、判断します。
メンター制度の目的は、メンティの技能向上を含む人間的成長を促進することです。
対人援助を主な業務とする職種や業界に適しています。
一方、1on1の目的は、組織のマネージメントとパフォーマンスを向上させることです。
その手段として、支援を行うというアプローチです。
メンター制度と1on1は、補完的な関係にはありません。
二者択一、どちらかの選択になります。
<最終的に>
判断の目安を1つだけ挙げるとすれば、それは組織の大きさです。
大まかな基準を示しておきます。
★ メンター制度は、1拠点の従業員数が200名以下の職場に向いています。
★ 1on1は、200名以上の企業に向いています。
ご参考になりましたら、幸いです。
判断に迷われる場合はどうぞご相談ください。
ご相談は初回無料でお受けしています。
継続をご希望される場合は、初回終了後ご相談下さい。