4-① 「1on1」とメンター制度のどちらを選ぶか

メンター制度の隣接分野として1on1があり、両者は良く似ています。

 

どちらを選んだらいいでしょうか?

 

ご自分の職場にどちらを導入したら良いか、迷うことがあるかも知れませんので、おおまかな目安をご紹介します。

 

【1on1の特徴】

 

1on1は、

 

★大企業において、
★人事部主導で、
★新人の個別指導を目的として、

 

行われます。

 

●リーダーやマネージャーが、
●新人と個別にコミュニケーションをとり、
●業務に関する新人の状況を確認し、
●フィードバックを行い、
●目標達成を支援、

 

します。

 

1on1は、新人が、

 

♦業務上の壁を乗り越え、
♦キャリアアップすることで、
♦結果的に、
♦組織全体の業績を向上させる、

 

ことを意図しています。

 

その際、リーダーやマネージャーは、

 

♥新人の業務遂行能力評価に直接関与せず、
♥信頼関係(ラポール)を築き、
♥良き指導者になること、

 

に注意を払います。

 

【留意点】

 

担当者は、

 

●新人と定期的に対話するが、
●オンラインでの間接的対話が多くなるため、
●人間的なつながりが薄くなりがちで、
●効果がゆるやか、

 

という側面があります。

 

【メンター制度の特徴」

 

メンターは、

 

〇メンティーの「心理的安全性」を確保し、
〇定期的に対面ミーティングを行い、
〇メンティが戸惑いや困難を感じている点について、
〇話し合い、
〇協力して解決を図ります。

 

その際メンターは、

 

〇指導・教育よりも、傾聴を優先し、
〇新人の置かれた立場を理解し、
〇新人の気持ちに寄り添うため、
〇新人の「心理的安全性」が高まり、
〇離職率が減少、

 

します。

 

課題が明らかになった場合は、メンターはメンティーの主体性を尊重しながら、協力して解決します。

 

メンター制度の目的は、新人の、

 

♦心理的安全性を確保することで、
♦成長を促す、

 

点にありますが、結果的に、

 

♧ 職場全体のパフォーマンスが上がり、
♧ 業績の向上につながります。

 

また、

 

♧ メンティだけではなく、
♧ メンター自身が、
♧ 後輩を「育てる」経験を経て、
♧ 大きく成長します。

 

管理職は、

 

♦メンターの自主性を尊重し、
♦メンターの集まりであるメンターグループを信頼し、
♦メンター制度を任せることで、
♦制度全体がスムーズに回ります。

 

【メンター制度と1on1の違い】

 

① 組織の規模

 

・メンター制度は、比較的小さい団体や組織に向いている
・1on1は、比較的大きい会社や組織にも適用可能である

 

② 支援する側と受ける側の関係

 

・メンター制度では、日常的な対話、相談が保証される
・1on1は、支援する側とされる側がお互いに深入りすることを避け、匿名性保証のため接触に制限を設ける場合がある

 

③ 成果の見える化

 

・メンター制度は、職能スキルの向上と併せて、人間的な成長の効果を期待することから、成果の数値化や、複数ペア間の比較等が出来ない
・1on1は、実施や会話の手続きがマニュアル化され、チェックシートと相性が良く、成果が比較的見えやすい

 

【では、どちらを選ぶか?】

 

組織の理念、目標、規模、提供するもの、サービス内容により、判断します。

 

メンター制度の目的は、メンティの技能向上を含む人間的成長を促進することです。

 

対人援助を主な業務とする職種や業界に適しています。

 

一方、1on1の目的は、組織のマネージメントとパフォーマンスを向上させることです。

 

その手段として、支援を行うというアプローチです。

 

メンター制度と1on1は、補完的な関係にはありません。

 

二者択一、どちらかの選択になります。

 

<最終的に>

 

判断の目安を1つだけ挙げるとすれば、それは組織の大きさです。

 

大まかな基準を示しておきます。

 

★ メンター制度は、1拠点の従業員数が200名以下の職場に向いています。

 

★ 1on1は、200名以上の企業に向いています。

 

ご参考になりましたら、幸いです。

 

判断に迷われる場合はどうぞご相談ください。

 

ご相談は初回無料でお受けしています。

 

継続をご希望される場合は、初回終了後ご相談下さい。